AIの発達も目覚ましく、コロナ禍以降特に資本主義つまり従来の貨幣経済は先の読めない不安定さを伴い出し、気候変動からくる災害も著しい昨今。心理学や哲学などこころの問題はいっそう人々の関心を引きながらも、実生活や実務的なものにはすぐに影響を与えるものではなく、どこか難解なイメージもありつい敬遠されがちなジャンルでもあるかと思います。
そんな心理学も哲学も内包しながら、実は我々が既に知らぬ間に刷り込まれているものに「東洋哲学」があります。知らぬ間に刷り込まれているから実は飲み込みやすく、それをさらにかみ砕いて書かれている為読みやすい、画期的な「こころの本」を紹介します。
一番日本人に身近なこころの哲学=東洋哲学
身体の不調を治す医学が発達するのと同時に、こころの問題についても洋の東西を問わず様々な概念が文明は起こって以降積み重ねられていきました。現在、心理学やカウンセラーとして参照されるものは医学の一分野に組み込まれたもので薬学療法や行動心理学にも度づいて体系づけられたものです。
しかし、近代になる前に人間の秩序や行動模範、さらにはこころの問題に対処していたのは宗教や哲学であったんですよね。宗教は特に一神教が起こった中東で、そしてインドで現在もつづく仏教やキリスト教、イスラム教が勃興していきました。
哲学や思想はギリシア・ローマ時代に飛躍的に発展したオリエント文明や諸子百家という賢人を多数輩出した古代中国の思想が、そして近代以降はホッブスやルソー以降の社会と個人の関係に根ざした思想や哲学として体系づけられていった歴史があります。
このうちでも特に日本人に馴染み安いのがやはり中国発祥の東洋哲学でしょう。西欧でもここ10年ほどマインドフルネスを始め仏教や禅の教えが急速に知識層や心理学の分野で見直されてきている流れもありますが
それ以上に、日本人は無意識にかなりの部分、この東洋哲学を先祖からの習慣や物語などのフィクションを通じて刷り込まれているものだと思っています。もっと身近な哲学であり、心理学であり、こころの問題の対処法なのが、これら「東洋哲学」なのですね。
非常にかみ砕いて書かれた「手引書」
個人的に原始仏教や禅、老荘の考えなどはかなり個人的にも感銘を受ける東洋哲学なのですが、個人的にもバラバラだったそれらの繋がりが、ある程度飲み込みやすく書かれていたり
何より一般的に伝えるのに非常に苦労すると言われる「空」の概念を絶妙にうまく表現していたり(一部かみ砕きすぎている部分もありますが…)
本書はあくまで手引書やナビゲーター的な本だとも言えるのでそれぞれの思想の繋がりや概念がある程度この本で分かってきたら、興味のあるものから深堀りしていくのが正しい読み方でしょう。
とにかく仏教などの外来のものが日本国内でどのように変容していったか、教科書では単語の羅列だけで分かりづらかったそのあたりの背景も分かりやすく解説されています。まさに、先の読めなさと生きづらさに溢れた…今の時代にこそ読まれるべき一冊でしょう。


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