現在におけるあらゆるアクションアドベンチャーの草分けともなり、見降ろし型アドベンチャーゲームのいまだに金字塔とも呼べるゲームが、本作神々のトライフォースだと思っています。多少ゲームバランスに時代を感じる部分もありますが、時代を越えて普遍的な魅力を放つ1作です。
横視点のマリオに見降ろし型のゼルダ、それぞれのスタイルの完成
任天堂はスーパーファミコンと同時発売でスーパーマリオワールドを発売しました。ファミコン時代に様々な横視点のアクションゲームも登場しましたが、任天堂が当時のアーケードにあるような横視点のゲームを研究し、徹底的にプレイヤーに操作する楽しさを提供したのがマリオでした。しかしまだまだファミコンの限られた容量では描ける事も搭載させるシステムも限られていました。
難易度もまだアーケードゲームの高難易度に引きずられていた時代。ファミコン時代の数々の横視点のゲームのフィードバックを絶妙に生かし、システム的にも難易度的にも絶妙なところにおさまったのがスーパーマリオワールドでした。
同様に同時のパソゲ―方面で実に活況だったのがウィザードリィを始めとするRPGで、国産はハイドライドやザナドゥなどのアクションRPG方面で特に気を吐いていました。このRPG方面の表現に挑んだのが任天堂のもう1つの雄、ゼルダの伝説でした。
RPGやアドベンチャーはある程度の容量を必要とする為、ディスクシステムのロンチタイトルとなり、任天堂のポリシーとして出来るだけテキストに頼らず、あらゆる効果は画面上のアニメーションで処理されるように徹底されていました。
その2D見降ろし型のゲームとしてマリオと同じくファミコン時代の様々なタイトルや次作そのものも改めて堀り直し、決定版とも言える完成度になっていたのがスーパーファミコンでリリースされたシリーズ通算3本目の本作でした。
ビジュアルとゲーム性の幸福な融合
前作の時点でひび割れた壁に爆弾をセットすると壁が開く、などは出来ていましたが、さらに泳ぐ・ダッシュする、ぶつかる。石像を動かしてスイッチの上に置き扉を開くなど後のアクション・アドベンチャーの時代に「謎解きの文法」のお約束になったギミックの多くは本作から形になったものが実に多かったと思います。
またマップ構成がほぼ同じである光の世界と裏の世界という2つの世界を行き来する事によって謎解きや発見により奥行きを持たせたこと。マップ自体は決して広くはありませんが、プレイヤーが自力で探索したり発見したりするのにストレスを感じない手さぐりで冒険できる箱庭サイズとして絶妙な大きさに収まっていた点も見事でした。
そして何よりプレイヤーが手探りでそれぞれの攻略法やアイテムを使ったギミックを応用して、より高度な難易度のダンジョンに挑んでいくレベルデザインの設定もまた絶妙。個人的に横視点のマリオワールドと並んで、見降ろし型視点で任天堂が形にした1つの金字塔だとも思っています。
無駄のない現在ゲームデザインのベースになるようなお手本のようなゲームに仕上がっていると思います。欲を言えば後半の難易度がシビアになってしまい、マップ的にももう少し後半にも遊びや息抜きになる要素があれば個人的に完璧ではありました。もう1つ街のような拠点があれば…
しかし、それら改善点も些細なもので、いま遊んでも確かな手応えを感じながら、充分のめり込ませる要素も併せ持つ、歴史的な名作に仕上がっていると思います。
現在遊ぶには…
任天堂の看板タイトルですが、元は30年以上前のゲームになります。現在一番遊びやすい方法はswitchオンラインでの配信ですね。他の有名タイトルと併せてリリースされているので、一度は触れて欲しい名作です。


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