派手な音、あるいは言葉の力が強い歌詞ではなく、サウンドも詞もどこか抽象的で、耳馴染みのいい。そんなサウンドを求める方に…珠玉の浮遊感のあるサウンドが詰まった1枚を紹介します。
感性に刺さる音楽
メンバー全員、ミュージシャン活動以外にデザイナーとしての本職があり、アーティスト活動は趣味の一環だと公言しているSpangle call Lilli line。
これってけっこう大きなもので、本業があるからこそ必要以上に商業的な要素に接近することなく、またメンバー全員デザイナーという経歴から極めてアート感覚の強い独自のサウンドを個性にしています。
キャリアも長く、特にミュージシャン側から熱烈なファンも多い、ミュージシャンズミュージシャンと言えるかもしれません。自分は解散してしまったバンドですが「school food punishment」が大好きで、そのサウンドに多大な影響を与えてたと言う事で辿り着いたバンドでした。
国産バンドも数多い中、ここまで静謐さと抒情性を前面にだしたバンドも珍しく、その手のサウンドをここまでセンス良くまとめられるバンドも稀有でしょう。アルバム1枚1枚で活動を追ったわけではないですが、本作はこれまでのキャリアを総括するようなオールタイムベスト。
感情の邪魔をしない展開
特に初期の代表曲とも言われるNANOに顕著なのですが、情景描写に重きを置いた詞と、主張が強すぎない為にどんな気分の時に聴いても自然に楽曲に引き込まれる「騒がしくなさ」が職人芸的な作りの珠玉の楽曲がたくさん詰められています。
一聴するだけでは、似たような曲調が並ぶのですが数年に一度出すアルバムによって、ジャンルや表現も少しづつ違いが出ています。個人的に気に入っているのは代表曲でもある「NANO」やポストロック的なアプローチが心地良いアルバム「PURPLE」収録の「sea」など
正直、歌詞は添え物程度でその世界観や音に飲まれるのが正解なバンドと言う印象があります。基本路線はアンビエントや歌モノが入ったポストロック路線。独特の静謐さと浮遊感が大変心地いいサウンドばかりです。


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