シリーズ総決算、横スクロールシューティングの金字塔「グラディウス外伝」

オーソドックスな横視点のシューティングとして

伝統的なゲームスタイルの1つである2Dのシューティングゲーム。今尚、インディゲームなどでも新作が作られ、レトロゲームも含めれば膨大な数のタイトルがリリースされています。


個人的にもそこまで熱心に触れたジャンルではないのですが、かつて遊んだ中で初心者も含めて最も間口が広く基本も抑えた堅実な作りだと思ったタイトルの1つが本作「グラディウス外伝」です。

シューティングならではの手軽にプレイできるスタイルと、コンティニューをある程度繰り返しながら徐々に腕が上達し没入していく快感が適度な難易度で展開される決定版の1つだと思っています。

グラフィック的にも円熟期のドット絵を効果的に使い、シリーズのエッセンスを織り交ぜたタイトルになっていました。

シリーズの流れ


シューティングゲームと言えば現在は、海外ゲームを中心にした主観視点で進むFPSなどが人気のジャンルですがかつてはアーケードを中心に縦視点(ゼビウスやスターフォースなど)、横視点(本シリーズやR-TYPEなど)で自機を動かしていくゲームが全盛でした。

後に数え切れないほどの弾幕の波を縫って進んでいく、弾幕シューティングなどのブームもありつつも
コアなユーザーのニーズに応えていくうちに高難易度化が進みながら新しいユーザーが流入せずに徐々に先細って、今や下火になってしまったジャンルとも言われます。

グラディウスは1985年にアーケード版が登場し大ヒットを記録。
後にファミコンやPCエンジンなど各家庭用のハードにも移植されました。その後シリーズは家庭用オリジナルの続編、「沙羅曼蛇」など派生したタイトルの続編や「パロディウス」などの番外編などへと複雑に派生していきましたが、アーケードで見ると順当に2→3→4とナンバリングを重ねて進化していきました。

続編を重ねる事に演出やグラフィックは飛躍的に進化していきましたが、シリーズもⅢのあたりになると完全に初心者お断りなほどのハードな難易度になってしまい、コアなユーザーに熱狂的に受け入れられた反面、新規ユーザーには手が出しがたいタイトルにもなっていきました。

家庭用ならではの強み

それまでのグラディウスは家庭用に移植される際にどうしてもアーケードとの性能差からアレンジやステージカットなどが定番になっていたと言われますが(PC-エンジン版の1など比較的原作に忠実に移植された例もありますが)

本作では家庭用の完全オリジナルタイトルとしてリリースされ、アーケード版のリリースも途絶えていた時期でもあるため、往年のファンには大いに注目されたはずです。

そして、家庭用ならではのユーザーフレンドリーな要素とシリーズの伝統をいい意味で踏襲した決定版と言える出来に仕上がっていたのではと思います。


これまでになかったパワーアップゲージの自由な入れ替えが可能に。機体も4種類あるものから選択が可能。難易度はあまりにも上昇しすぎたⅢなどから比べると大幅にマイルドになり、かといってヌルすぎもしない絶妙に難易度になったと言われています。

私のようなアーケード世代でない物からすると十分に難しいのですが(笑)そして、ヘヴィユーザーにも合わせて二周目以降の高難易度モードは健在。

それでも1コインを気にせず延々とプレイして上達した腕で、達成感を感じられるのがSTGの強み。
それまでの家庭用のグラディウスになったアレンジやカット、処理落ちを克服しステージや敵機もシリーズの伝統を踏まえた集大成のような構成になっています。

3Dによる演出は背景などに効果的に用いられるレベルに留まっており、あくまでドット絵のシューティングのスタイルに拘った本作はドット絵のピークの時代に入っていた事もありグラフィック的にも時代の変化に埋もれず2D横視点シューティングの見本市のような内容に仕上がっています。

例えば当時全盛だったポリゴンで時機やステージ全体が描写されていれば、どうしても過渡期の荒いポリゴンが「時代」を感じさせてしまっていた事でしょう。

アーケードにおけるシューティングが下火になった時期のリリースだったことと、家庭用専用としてのリリース時期が重なった事もあり、シリーズでも地味な位置に収まっている作品ではありますが


この後のグラディウスが4で再び高難易度になったり、3D化して派手な演出や一新された描写が往年のファンや世界的に大きく注目を集めた5を最後にリリースが途絶えている事もあり


外伝というタイトルにはなっていますが、従来型の総決算のようなタイトルになったのが、本作「グラディウス外伝」だといえるのではないでしょうか往年のゲームジャンルを振り返るのに最適な、伝統を踏まえた職人芸のような1作です。

現在遊ぶには

現在はではオリジナルのPS版はややプレミア化、シリーズ1-3とセットになったPSP版グラディウスポータブルもありますがこちらもやや高騰。
ファミコンミニのヒットの流れでリリースされた、PSクラシックの内臓タイトルとしても収録されています。

最近コナミはようやくアーケードや家庭版の往年のタイトルの配信に力を入れ出しているので、何らかの形での配信が待たれるタイトルでもあります。

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