洋楽でシンセをフューチャーしたバンドは数多く、テクノや歌モノでは80年代に一世を風靡したニューウェーブと呼ばれるバンド群がそれに当たります。そんな洋楽シンセメインのバンドの中でも個人的に思い入れが強く、強烈な知名度を持つ楽曲を持ち、サウンドも日本人好み…そんなバンドのベスト盤をレビューします。
80年代、当時既にメジャーな存在になっていたプログレやグラムロック
ハードロックやヘヴィメタル、パンクなどのジャンルとはまた違う、新しいロックミュージック全般を指さして「ニューウェーブ」という風潮がありました。これが90年代以降になるとオルタナティブというサウンドになるのでは…と思いますが
80年代のニューウェーブの特徴として新しい楽器であるシンセサイザーと大胆に融合したバンドが多かった事。まさに生楽器主体の70年代までとのこれが最大の違いなのですが、もともとパンクバンド、ジョイ・ディヴィジョンであったメンバーたちがボーカルのイアン・カーティスの死去に伴い、大胆にスタイルを変え…
当時勃興していたハウスサウンドを軸にした先鋭的なサウンドで、ニューウェーブシーンを牽引したのがニュー・オーダーでした。そもそもジョイ・ディヴィジョン時代が内向的で先鋭的なサウンドを奏でていたギターロックバンド。現在で言うインディ―ロックにも通じる先駆的な詞曲で非常に前衛的なバンドでした。
ボーカルの死と言う多大な悲劇に見舞われながらも、前衛的な姿勢をスタイルにまで大胆に適用したとも言えるのでしょう。個人的に生楽器に負けないくらいシンセサウンドは大好物なのですが、ニューオーダーは比較的鬱々としたシンセサウンドも少なくない洋楽バンドの中で、クール且つポップな曲も多く、しかしロックバンド的な姿勢は決して崩していない。
シンセバンドとしてポップ寄りのサウンドに接近
日本人の耳にも馴染みやすいサウンドと佇まいのバンドだと思っています。特に知名度抜群な代表曲でもある「BLUE MONDAY」はそのイントロからして出色。無機質なドラムマシンの整然としたサウンドに気だるげなボーカルが乗るスタイルは当時、大変衝撃的だった事でしょう。
その後はよりポップなシンセロックに変貌しつつも、次第にギターロック寄りになり。ポストパンク的で内省的だったジョイディヴィジョンやそれを引きずっていた最初期も含めて実に変化に富んだ流れを辿っています。
彼らは初期の頃はシングルをアルバムに収める事をせず、しかしそのシングルに名曲が多いと言う事で、オリジナルアルバムに匹敵するレベルの重要さを持つのがこのSIGLESなのでした。1987年にリリースされた「Substance」にそれ以降の楽曲を+した作品になっています。


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