現在のRPGやファンタジーの原点となった指輪物語。多くの製作者が名乗りを上げては実現しなかったこの伝説的作品は2000年代、ついに3部作として劇場化されました。現在は海外ドラマ始め実写ファンタジーも随分数が増えましたが、それらと比較しても3部作でバランス良く完結する本作は原点である原作と並んで今尚、金字塔的作品であると言えるでしょう。
全てのファンタジーの源流とも言われる
日本ではファンタジーと言うと聖戦士ダンバインが走りだ…とか、日本独自のファンタジー観に多大な影響を及ぼした「ラピュタ」「ナウシカ」あるいはRPG文化としての「ドラゴンクエスト」「ファイナルファンタジー」メディアミックスでより西洋的なファンタジーを浸透させた「ロードス島戦記」などが原点的作品でよrく名前が挙げられる所だと思います。
そんな国産ファンタジーの大元となる作品で、いまのRPGの元となるテーブルトークRPGは元よりそれを元にしたコンピュータRPG「ウィザードリィ」や英国出身バンド群、特にレッド・ツェッペリンなどのファンタジー要素を孕むバンドの詞世界にまで幅広く影響を与え、現在のファンタジー的なものの全ルーツとも言える作品が本作の言原作「指輪物語」なのでした。
もともとイギリスの各地で語られる伝承の生物を言語学者の著者トールキンが架空の世界とヒロイックファンタジーの筋書きの中に種族として多くを配置、ドワーフ・エルフ・ホビットなどは本作が初出となるものです。
日本で言えば民俗学を切り開いた柳田國男自身が、水木しげるの妖怪譚と南総里見八犬伝をドッキングせたような作品…といえばいいでしょうか??
そして観念的な指輪の物語…善にも悪にも触れる超越的な力の方向をどっちに奮うのか…それを決して力が強い訳ではない平和主義者でお調子ものなホビットが手にし旅する過程に欧米独自の倫理観や哲学性が垣間見える気もします。
同じ3部作でも(後に9部作になっていきましたが)宇宙を舞台にしたスペースオペラ仕立てのスター・ウォーズなどもまさにこの力(フォース)を光の方向か闇の方向かどちらへ使うのか…が大きなテーマとなっていました。欧米ではこういった「使用者に試練が課される物語」がファンタジーやSFでは本当に多いのですね。
映画史に残るスケール感
ニュージーランドロケを緩行したのが功を奏し、本作の自然描写、世界描写はほんとうにこういう世界があるのか…と見まがうものばかりでした。
古典となる作品だけありその雄大なスケール感には舌を巻くものの、やはり全体的にどこか冗長に感じられる部分も多く、はっきりわかりやすい活劇シーンやエンタメが息づいている作品という訳でもないのですよね。
それでも尚、凄いなと思えるのは3部作それぞれに冒険や葛藤、場面転換の妙味が利いていて、さらに映像表現も素晴らしい事。結末まで見るとまるで一つの壮大なRPGをまさにエンディングまで迎えたようなスケール感や大団円感を感じられる事です。
何クールもある国内外のドラマシリーズ以上のスケール感と冒険感を3部作の中にそれだけ濃密に展開されていたという事で、仲間キャラクター達も限られた尺も中でキチンと各々見せ場が容易されているのも見事です。

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