歴代屈指のタイムリープ系名作アニメ
もともとは5pb.が発売していたゲームを基にアニメ化した作品。ゲームも名作ですが、アニメはルートを気にする事なく、物語に集中できる事とアニメならではの演出手法が効果的に働いていて必見の作品になっています。
個人的に歴代見たアニメ作品の中でも屈指に好きな作品なのですが。。いわゆる美少女ゲームのカテゴリにハマる作品でもあり、舞台は分かりやすく秋葉原限定。扱っているテーマも割とディープなタイムリープもの一見見る人を選びそうな作品なのですが…
先に述べたように本作は構造だけ見ると美少女ゲームのカテゴリに含まれるもので、それは複数登場する個別のヒロインに別々のルートがありプレイヤーが応じたキャラクターと特定のEDにいく。
ここだけ見ると、いわゆる典型的なギャルゲーの方に向けた作品に感じられるのですが。ここにタイムリープと言う各キャラクター個別の未来が存在しており誰かの未来を選ぶと誰かの未来は叶えられなくなるこの決断が本作に置いてはより重いものとなっています。(だいたいこのジャンルで名作と言われるものは、その傾向にありますが…)
随所に現れるアキバカルチャーリスペクト
そして、また主人公を生粋の変人=中二キャラとした事。この好きな物に人生を捧ぐ、ある種のオタク的な生き方や中二病的な主人公の言動をめちゃめちゃ肯定的に描き、1つの人間賛歌になっている点にも本作の感動点があります。
当初は奇抜なキャラクター造形やオタクノリの主人公、パロディや軽めのノリで始まりながら、最終的に大きなスケールを内包し時間をテーマに掲げたSFとして帰結する流れはガイナックスの名作「トップをねらえ」をも彷彿とさせます。
またアキバカルチャーが特に勢いのあった2000年代後半をモデルにしているためメイド喫茶溢れる当時のアキバの雰囲気や夏のうだるような雰囲気も作中によく描写されており、ご当地アニメや夏アニメとしても完成度が高いのですね。
一方で主人公のオカリンはメカ好きの理系人間で、中二キャラと言ってもどちらかというとかつてのアキバを愛するような「古いタイプのオタク」、それを取り巻くラボメンは各々形は違えど「イマドキのオタクたち」というギャップも1つの楽しみ処かもしれません。
タイムトラベルものですが、それが特別に複雑なものでなく主人公たちと一体化しながら話に徐々に引き込んでいく手法も見事です。〇〇の世界線、という表現は本作が基になってメジャー化したものと言えるでしょう。
コメント