史劇映画史上に残るスペクタクルとステーリーテリングの巧みさ「ブレイブ・ハート」

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史劇映画に残る傑作


この映画、松本人志氏やひろゆき氏など著名な方がさりげなく褒めてる事が多い映画なんですが自分も昔々にみて、一気に引き込まれた映画でした。


過去の歴史を劇中で再現し、スペクタクルシーンで盛り上げるいわゆる「史劇」映画は数あれど、物語の緩急がここまで上手い映画はあまりないかもしれません。主演・監督のメルギブソンは色々お騒がせなイメージも強いですが真摯に史実と向き合う姿勢を持っている事は間違いないのでしょう。


といっても本作も完全な史実ではなく、所々「脚色」されいる箇所はあるようです。


中世イギリスを舞台にした英雄譚


この時代のイギリスを題材にした作品は国内ではあまり馴染みがないかもしれません。ロードオブザリングやハリーポッターなどイギリス発のファンタジーは有名なのですが…


日本の漫画だとヴァイキングの時代を描いた「ヴィンランド・サガ」などがまさにこの頃のイギリス。イングランドから独立しようとするスコットランドの英雄、ウィリアム・ウォレスを主人公にした物語。

実際に緑溢れるイングランドやスコットランドの情景描写、小物1つ1つのディティールに到るまでかなりの拘りを感じられる作りになっています。


真に迫った合戦シーンと大河ドラマを思わせる壮大な展開


父親と嫁の仇敵となったイングランドへのに憎しみを募らせる展開…そして、各地を転戦し徐々に仲間を増やしていく過程。貴族の内乱による主人公の暗転。中世を描いた日本の大河ドラマから、中国の史劇…果てはベルセルクのようなダークファンタジーまで、主人公たちが軍隊として上り詰め、宮廷の陰謀によって暗転する流れはある意味大河ドラマの王道と言えるかもしれません。


本作が凄いのは、そのような大河ドラマ的展開を実に手際よく見せている手法。主人公がいかにして剣を取るに至るのか、各地で奮闘し仲間を増やしていくのか事態が暗転する終盤にかけても、1つ1つのシーンが印象的で真に迫るものになっているのです。


そして極めつけが弓矢と馬が入り乱れるエキストラ大量動員の歴史的な合戦シーン。慢心するイングランド側とそれを追いやるスコットランド側の起点や思いがけぬ逆転劇、戦いの前のウォレスの演説まで全ての流れが実に絶妙にはまっているのです。


最近の大河ドラマなどはこういう合戦シーンを割と手短に端折ってしまうのが残念なのですがここまで気合の入った合戦シーンは他の映画でも滅多に見られないレベルです。必見。

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