SNSやサブスクが全盛の時代になる今の時代の一つ手前の時代には、ショップ・ラジオ・雑誌媒体とネットが連携して一つのカルチャーを築いていました。そんな時代に当時の媒体を跨いで大いに話題になり、地味に今の時代に繋がる潮流も産み出した…そんな名盤を紹介します。
色々と「新しかった」ユニット
2000年代後半ごろ特にネット界隈や業界で騒がれていたのが相対性理論でした。特にぶっとんだ歌詞と相反するように一見シンプルだけど実に計算されたサウンドで話題を呼んでいた「シフォン主義」(このタイトルのセンス時代も凄いですw)によってプロのミュージシャンから音楽好きに噂が広まり出したタイミングで発売されたのが2ndに当たる本作。
狙ったかのようなキュートネスとどこか投げやりな歌詞、それでいて時に哲学的だったり確信をもついてもいる歌詞、シンプルなのに凝ったポップサウンド、顔出ししないユニット。
後のadoや水曜日のカンパネラ、きゃりーぱみゅぱみゅなどに受け継がれる要素を2000年代後半時点で確率していた先見の妙も見逃せません。
「ポストYOU TUBE時代のポップマエストロ」と名乗っていたように、その感性はネット世代特有の緩さやマニアックさを内包していたようなものがありました。
楽曲「テレ東」「四角革命」「学級崩壊」など、身近にものや思春期をテーマにしたものが多く、どこか気を抜いた感じを受けながらもさりげなく人生の革新をついたようなフレーズが挿入されるのが侮れないのですよね。
そして最後を飾るバーモントキッスで非常に身近な日常に着地して終わる。
近しい所で同時期はPERFUMEがダンスユニットではありますが、同じような立ち位置で注目されていました。同時に2000年代後半当時はフェスブームも一段落し、シーンが一つの飽和状態にあった気がします。
どちらかというと疾走感がありパンキッシュ?な勢いを感じさせた前作と比較的落ち着いた楽曲が多い本作がいい意味で対をなしていましたが、本作の完成度が高かったが故になかなかインパクトで本作を越えられるものが作れていない気がしています。
旧来的な媒体と今日的な媒体の狭間で
80年代、90年代とシティポップやバンドサウンドを軸にアングラなシーンで大きな存在感を放つ名盤やグループは常に更新されてきたと思うのですが、媒体が雑誌・ラジオ・CD・ショップからSNSやサブスクなどのネット配信主流に映った今日では
この当時ほどの熱量で音楽好きに普及して評判が広がっていく独自の立ち位置の「名盤」が出現し辛くなっている気がします。口コミの拡散力やタイアップで海外人気を獲得する流れはむしろ作りやすくなってきたとは思うのですが…
いわゆるプロやショップ店員も巻き込んで、緩やかに評判が広まっていく…渋谷系やかつてのバンドブームにある都市型のブームが業界から、次第に全国国伝播していく流れのようなものといいますか。
ゼロ年代の終了とともにガラケーからスマホへ、そしてCD・配信からサブスクへと音楽の主力も変化していきました。
そういう意味では、ネットがまだ情報代替の一つに留まりツタヤなどのショップも元気だったギリギリのバランスの時代に成り立った名盤で、一つの時代の終わりも同時に感じさせたアルバムだった気もしています。


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