独自の静謐さを奏でるスコットランド発のエレクトロニカの名盤「boards of canada/Campfire Headphase」

MUSIC

心地いい電子音が陶酔的な気持ちを呼び起こす、エレクトロニカというジャンルは非常に心地よくも魅力的なジャンル。海外産のエレクトロニカサウンドでも最も感銘を受けた1枚をレビューします。

派手な展開イケイケなサウンドではなく、じんわりと内側に浸透してくるような音

感性にジワジワ訴えてくるようなサウンドです。エレクトロニカというとミニマルな繰り返しのサウンドやシンセで派手に引っ張っていくサウンドが珍しくない中で、本作の魅力は自然の息吹を感じさせるような静謐さ…アンビエントなサウンドが特徴です。

単にアンビエント風のサウンドなら、似たような曲調もあるのですが…本作は生音も多く使用され、アルバムのジャケットに見られるように水面をたゆたうような。あるいはキャンプで炎をずっと眺めているような、独特の浮遊感に満ちた音なのです。

生音もアコースティック嗜好で、古びた感じを出すためにレコ―ディングには相当な時間をかけたよう。スコットランド出身という彼らの土地柄から出たものなのか非常に感性に訴えかけてくるサウンドです。

シューゲイザーの静謐さやアコースティックな暖かさエレクトロニカ特有の心地よさに寄った電子音、それらが混ざりあい幻夢的なサウンドに仕上がっているのです。

生命の根源に還る

それは人間が持っている原始的な根源的な部分に訴えてくるかのようでもあるし、静的でありながら非常に生命観に富んだ作品だと言えるのかも。

彼らを見出したとも言われるオウテカは無機質で、ミニマルな非常に前衛実験的で攻撃的なサウンドをものにしましたが、ボーズオブカナダはそれとは真逆。静的でサイケデリックで、どこかメランコリックな作風。懐かしさと心地よさを求したようなサウンドです。

後にフォークトロニカと言われるサウンドが提唱され、より幻夢的でメランコリックなサウンドが追求されていく事になりますが、エレクトロニカの前身となったポストロックと言われるジャンルの息吹もまだ残している感もあるのがboards of canadaのテイストでもあります。

本作でも幻夢的なサウンドで陶酔しているとふいに整然とまとまったサウンドが鳴り出し目を覚まされたような感覚にもなります。他のアルバムではサンプルコラージュを売りにしたり、謎めいたダークなサウンドも展開していたり、メランコリックな作風でありながら時にダークで退廃的…そしてあくまでバンド然としたスタイルが特徴だとも言えるのでしょう。

しかし、彼らのアルバムの中でももっとも静謐さが高いと思われる本作は、やはりバンドに求められているサウンドを徹底的に追求した路線とも言え、どこまでもこもサウンドに使っていたい不思議な魅力に溢れています。

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