時代に埋もれないロックバンドの古典的グループは何か…と聴かれると、人によって様々なバンドが挙げられるでしょうが、ことバンド側の影響力を見てみるとほぼ不動の位置にいるバンドの一組で、且つ時代を越えて今も圧倒的に参照される事が多いバンドがLED ZEPPELINでしょう。その偉大なる影響力がパッケージされたベスト盤を元にその魅力をざっとレビューしてみます。
後世の影響力の大きさと時代に埋もれない普遍性
国内外のバンドに多大なる影響をいまも与え続け、かのビートルズと並ぶ英国の偉大なバンドとも言えるレッド・ツェッペリン。自分が学生の頃に好んでいたバンドの多くがこぞってその影響を口にしており、いわゆるハードロックサウンドの形を体系づけた偉大なバンドとも言われます。
しかし、そのサウンドは分かりやすいジャンル付けを拒むかのように多岐に及んでおり、初期はブルースを、中期にはフォークを、後期には大胆な打ち込みサウンドやファンクを…と時代時代によってそのスタイルを柔軟に変えていったのでした。
いまとなってはより派手でよりテクニカルなバンドは溢れているでしょうが、彼らが形にしたサウンドはその多様性も相まって、いまも不思議な魔力的な魅力を秘めていると思います。
詞・曲ともに通俗性に流れずどこか神秘的で、しかし後のメタルになるほどには様式に染まっていない…ゆえに一聴するとすぐに分かるポピュラリィティよりも時代に埋もれないクリエイティブな面によって、今も普遍的な魅力を保っていると言えます。
現在のロックバンド的な…と言われるスタイルを体現した
何よりハイトーン且つ金髪長髪でハードロックシンガーの代名詞とも言えるロバート・プラントのルックス＋ボーカルスタイル、変幻自在にスタイルを変えオカルトやファンタジーに精神世界への言及も多く、その世界観も一筋縄ではいかないジミー・ペイジのサウンド
史上最高のドラマーに頻繁に名前のあがるジョン・ボーナム、職人気質であらゆる楽器を弾きこなせるジョン・ポールジョーンズ…とメンバー1人1人が際立った個性も持っていました。
またいく先々で(尾ひれもついているのでしょうが)派手な豪遊やスキャンダラスな行動を巻き起こした事や、相反して山小屋のようなスタジオでレコ―ディングを行う内向さ
思わせぶりで考察を呼んでしまうようなジャケットアートなど、ロックシンガーのステレオタイプなスタイルにパフォーマンス、さらにはアーティスティックなアルバム嗜好なども合わせて、後世への影響力も絶大なものがあったでしょう。
そんな彼らのオールタイムベスト。ベストは邪道と言われながらも、どこかで聴いた事があるあの曲から、後に様々なミュージシャンに影響を及ぼす元ネタの数々も見られる(その彼ら自身も前世代のバンドからリフやらをだいぶ拝借しているのは有名な話です)という点でも強力なラインナップを誇るベスト盤になっています。
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