日本的情緒から来る柔らかい感性が全体を包んだエレクトロニカの傑作「レイ・ハラカミ/Red curb」

MUSIC

こころをざわつかせるような派手なサウンドはそれはそれで魅力的なのですが、気持ちを落ち着かせたい時に柔らかいサウンドに触れたくなるもので、そんなまさに丸みを帯びたサウンドを形にしたような音楽が詰まったアルバムを紹介します。

日本初のエレクトロニカ・クリエイター

惜しくも亡くなってしまいましたがレイ・ハラカミは日本初のテクノ・エレクトロニカサウンドのパイオニアにして、他の誰でも打ち出せないサウンドを手掛けたクリエイターだと思います。その独自のサウンドや才能が爆発した1枚。

この音はおもちゃ箱をひっくり返したような、レトロ玩具のような…どこか懐かしくて柔らかく、サウンドとして刺々しさや人によっては不快になるような要素をほとんど排除したようなサウンド。懐かしさと優しさのある音と言えばいいのでしょうか。

パッケージのイラストがまさに作品の雰囲気を良く表しています。その分クールさや派手さのようなものはないのですが、気持ちが疲れた時にきくとそっと癒されるようなそんな音なのですね。

それまでテクノ系はフロア向けの音楽というどこか硬質でクールなイメージも伴っていたのですが、本作を契機にリスニング寄り、つまりダンスや4つ打ちを強調としたものから、よろ柔らかい唄モノとしてのテクノの流れにも結実していきます。

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