海外発のオープンフィールドゲームが花開いた2010年代。次第にどのゲームもマップの広さやオープンフィールドの規模を競うようになっていきました。
そんな中起こった批判が、そもそもシナリオを作り込んだりアクション性を追求していくのを売りにしていく中で、そんな広いマップを用意する必要があるのか?現実と同じ手間をかけるようなゲームデザインはプレイヤーにとって重荷になるだけでは…と。それに対する1つの回答示したようなタイトルが本作「レッドデッドリデンプション2」です。
今だ追随を許さないレベルで描き込まれた屈指のオープンフィールドゲーム
本作ではまずオープンフィールドの構築の美しさに目を奪われます。舞台は20世紀を目前にしたアメリカ。ウェスタンを舞台にしていながら、ほぼその終焉を描いたタイトルだとも言えます。
既に発売からそれなりの年月が経っていますが、現在存在するオープンフィールドのゲームと比較しても引けをとらないくらいグラフィックは充実したものになっています。
長いチュートリアルとも呼べる序盤を終えて、いきなり広い荒野に放りだされると、そこには雄大な自然が広がっています。本編をそのまま追っていけば裏切りや義憤に駆られた戦いや、プレイヤーの信用とシンクロしたようなドラマが展開されていき、それがオープンフィールドで展開されたマップを無駄なく移動しながら展開されます。
しかし、本編を放り出して寄り道しても十分なほどのサブシナリオや遊びの要素で満たされています。同時期発売されたゼルダの伝説ブレスオブザワイルドがマップのどこでも自由に到達できる細切れで遊べるゲームデザイン、そこにほのかに交わるアウトドア要素、つまり自然を体感できるゲームデザインになっていました。
本作では構造物や荒野を散策していると唐突に現れる集落やマップを縦横に走る鉄道などの構造物は勿論、突発的に挿入されるイベントなど、海外産のオープンフィールドゲームのお約束も膨大に散りばめられています。
一方でオープンフィールドゲームの欠点ともいわれるプレイヤーの負担になりかねない現実に寄せた手間暇の数々はむしろ強調されるような作りになっています。
あえて手間をかけさせるゲームデザイン
道具を開くのもアイテムを使用するのもワンクッション、一手間が挿入されるようになっており、放っておくと主人公も髭は伸び放題でスタミナも低下するようになっています。
一度訪れた拠点をカーソルで移動できる「ファストトラベル」機能も快適な形で実装されている訳ではありません。つまり本作は現実世界と変わらない手間暇、リアリティをあえて徹底的に追求したシュミュレーターのような作りになっているのです。
本当の意味で西部劇が終わろうとしている時代のリアルなアウトローを道具やギミック、舞台に到るまで徹底的に描き込む方向で固められたゲームだと言う事。そのため狩りをして、釣りをして道具を使って火を起こしてキャンプに興じる…
そういう自然と対峙する手間暇1つがリアルに描かれ、結果的に世界に対する投入度を主人公に対する一体感を強く感じて欲しいというゲームデザインの拘りが強いのです。
そして、変わりゆく時代を象徴しているのがマップ表現。それまで雄大な荒野の中に佇む小さな集落ばかり目にしていたプレイヤーは後半の大都市のマップを目にすることで大きなカルチャーショックを受ける事でしょう。
かつてのFF7のミッドガルを出たら雄大な世界が広がっていた…という展開の逆パターンとも言えるでしょうか。それをオープンフィールドでやってのけているのも凄い事です…

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