現在も数多くの切り替えのないシームレスなマップで冒険や探索ができる「オープンワールド」のゲームは、大作ゲームのジャンルとして花形のような存在になっていますが、そんなオープンワールドゲームの中でも、長らく金字塔的な立ち位置にある1作をレビューします。
歴史に残るオープンワールドRPGの大傑作
切り替えのないシームレスなマップの中で、AIで制御された住人が日々の生活をしている。そんなマップの中で謎解きや、アクション、冒険をしていく…
こういった形は昔からゲーム業界では一つの究極のインタラクティブとしてその進化が追求されてきました。
PS1の時代にかなりハードに負担をかける形になっておりロードや挙動はかなり重いですが、1つの町をシームレスに描き住人は各々のプログラムで町の中で時間で区切られた行動をしている「ミザーナフォールズ」や、やはり高度なAIで住民の生活感を出しており、当時としては圧倒的な3D空間を構築させた「シェンムー」など、国産でも90年代末にはシームレスなだけでなく住人のAIまで凝った作品が登場しだしていました。
世界的な潮流となったオープンワールド
この流れを加速させたのが海外産オープンフィールドなゲーム達で、一般的に「グランドセフトオート3」がこのような自由度の高いオープンフィーワールドゲームの先駆けになったと言われています。車を盗んだり暴行プレイができてしまったり、本編の話を無視して自由な進行をすることができ、後のシリーズでは飛行機や建物も買えるといった箱庭要素も後のシリーズになるほど高まっていきました。
グランドセフトオートシリーズを手掛けたロックスター社はその後も、西部劇風のオープンワールドゲーム「レッドデッドリデンプション」を手掛け、特に2作目はその細かすぎる描写やオープンワールドゲームでは不得意とされていた劇的なストーリー体験にも抜かりがなく、このジャンルの表現としての1つの到達点を示したとまで言われました。
コンシューマーゲーム業界をリードし、オープンワールドゲームのひな型となるようなタイトルを20世紀前後のハードで言うPS1・2世代に続々とリリースしていた日本のメーカーも、パッケージセールスの不調と、どんどん大作化が進み製作期間が延びていく流れの中でこのトレンドには乗り遅れた感も出ていましたが…
任天堂がSWITCHのロンチタイトルで発売した「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」では、それまでのオープンフィールドの限界と言われた「フィールドの壁」がなくどこまで歩いていけるマップに、プレイヤーの行動でマップのオブジェクトも様々な変化を見せるサンドボックスゲームに通じるような要素…通称「オープンエアー」というスタイルを提示、従来のゼルダのスタイルをベースにしながらまったく新しいオープンワールドの形を国産ゲーとしてついに形にすることに成功したのでした。
そんな国内外のオープンワールドゲームの流れの中で、北米のメーカーとしては「ロックスター」と並ぶオープンワールドゲームの大手メーカーがベセスダソフトワークス。本作スカイリムが5作目となる中世ファンタジー風の世界を舞台にした「The Elder Scrolls」シリーズや、荒廃した核戦争後の世界を舞台にした「Fallout」シリーズを主に展開しています。
「Fallout」シリーズは未プレイなのですが、スカイリムの前作「The Elder Scrolls」シリーズの4作目となるオブリビオンや本作「スカイリム」をプレイするとロックスターを始めとした他者のオープンワールドゲームとの違いが見えてきます。
ベセスダ製オープンワールドゲームの強み
ロックスターのNPCたちはあくまで一定の反応を示す事しかしませんがベセスダ系のNPCたちは交渉したり、隠密スキルで暗殺する事も出来てしまいます。またプレイヤーが所属するギルド(戦士、魔術師、盗賊など)を」選ぶことができ、住人もより細かいAIで独自の生活を送っています。
天候の変化もあり、家を買ったり結婚する事が出来て、マップを歩けば一定間隔で町や集落、洞窟や砦などが次々とロケーションの中に立ち現れてきます。法を犯せば国境まで衛兵に追われる羽目になります。これらを部分的に取り入れている作品はありますが、全部込みで行っている。
いわば異世界シミュレーター、本格的なロールプレイをオープンワールドの世界で展開できるのがベセスダゲームの強みだと思っています。特にこのスカイリムはもう10年以上前のタイトルですが、本編をアップグレードできる非公式のMODが未だに作り続けられる、オープンワールドゲーム市場で「未だに一つの壁」と言われているタイトル。
前作「オブリビオン」でもこれらの要素は健在でしたが、本作ではよりロケーションの数が高密度に一定のマップに散りばめられており、プレイヤーを飽きさせることがありません。緑豊かなオブリビオンの舞台シロディールに比べると北に位置するのが本作「スカイリム」の舞台となる為、マップの3分の1ほどは雪景色に覆われたマップになるのが個人的に少し残念な点ではありますが…
しかし、最近のオープンワールドゲームはより広大になりながらもサブクエストレベルでも1つ1つのものが長丁場になり、プレイ感覚も重くなりがちなのです。しかし本作はサブクエスト1つ1つがほどよい長さであり、容量も10年以上前のためゲームハードにかかる不可も大きくないのがポイントです。
僅かな欠点も長所には及ばず
ベセスダのゲームはバグが多いという欠点が言われていますし、今プレイするとクエストの途中でマップにマークが記されなかったり、そもそも最近のゲームであるようなナビゲート機能もないためマップで確認しながら目的地に向かう必要があり、また翻訳が微妙な為、会話の趣旨が分からず目的地を見失う事もしばしばあります。
それでも発売から長い時間が経ちバグに対するパッチ修正や回避方法もネット上でシェアされるようになり、攻略サイトも充実しています。古いゲームですが見とれてしまうくらい美しいロケーションも随所にあります。
日本のゲームとはまた趣が違う重厚で泥臭く、RPGのベースとなったテーブルトークRPGの匂いをふんだんに感じ取れるのも本作の魅力です。個人的に国産オープンワールドの金字塔となった「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」と並んで、いまだにこのジャンルの壁となっている傑作ゲームだと思います。
実際メタスコアの点数の高さに、ゲームオブザイヤーでは歴代屈指の数を受賞した本作。RPG史上でも最高のセールスとなる世界6000万本を記録した歴史的なタイトルになります。

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