シミュレーションRPGを思わせるクラスが別れたユニット群でパーティーを組み、時間経過イベントで開発が進む、そして戦闘では緊迫感のある閃きや連携などの独自のシステムを採用し、シナリオ進行の自由度も高い…スクウェアの黄金期を支えるタイトルの1つであったサガシリーズのエッセンスを集大成した、金字塔的作品をレビューします。
異端をいったスクウェアの挑戦的シリーズ
ファイナルファンタジーと並び、かつてのスクウェア社の看板の1つだったサガシリーズ。王道を担うのがファイナルファンタジーシリーズだとしてよりマニアックでコアなファンから支持を経ていたのがサガシリーズでした。しかしシリーズを重ねる事にあまりに大胆にモデルチェンジするために徐々にファン離れや賛否両論に見舞われることもまた多いタイトルでした。
そんな中、旧作のリマスターばかりが発売されていく中で、ようやく完全新作ともいいきれるレベルで令和の時代に蘇ったのがシリーズ最高傑作と言われることも多いロマンシングサガ2なのでした。
シリーズの流れを決定づけた作品
ロマサガシリーズと言えば選択肢によって変わるシナリオ展開と「陣形」や「閃き」と言ったシステム。さらにシリーズが進むとここに技と技が組み合わされた「連携」という戦闘システムを産み出しました。それらのうち「陣形」や「閃き」は本作から採用されたもので、もともとはシミュレーションをRPGに起こしたような内容となっている本作から後のシリーズに継承されたものでした。
帝国の領地を広げていく過程で様々な種族が仲間になり、それらがクラスとして仲間にくわわる、開発に資金を投じた魔法や武器・防具は劇中で起こる年代ジャンプを経過して、先の時代になると完成して登場していきます。
そして帝国の領土をどのように広げていくかの選択はフリーシナリオに沿った流れ。どのクラスを登用し、その武器や防具を育てていくのかという育成の自由度にどの方面から攻略していくのか…というシナリオ面の自由度が組み合わされている流れです。
FFから分家したサガシリーズ
そのように悠久な時代の流れを経て帝国の…つまり人間の積み上げてきた英知を結集させて神のような存在たる七英雄を倒すという流れです。
スクウェアの代表作であるファイナルファンタジーは同じ時期に発売された5に置いて「ジョブ+アビリティ」システムという画期的なシステムを産み出しました。シリーズ3作目からの伝統であった多重構造の世界観やクリスタルを巡るシナリオなど、シリーズの基本となるエッセンスはこの時期に極まった感もあります。
対するサガシリーズはもともとファイナルファンタジー2で実験的に採用された、レベルではなく武器や魔法そのものに依存した成長システムである「熟練度システム」を受け継いだシリーズです。大陸が一繋がりでセーブを経由すれば序盤からシナリオ終盤のエリアにまで行けてしまう自由度の高さもまたFF2の特徴でした。
その後ゲームボーイで展開したサガシリーズは世界観は無国籍風になるも熟練度システムを継承、後のスーパーファミコンになったロマンシングサガシリーズからは選択肢で本編の流れも変わるフリーシナリオを採用と、中世ヨーロッパ風の世界観へ移行。
本家FFから発展する形で、本家がある程度王道で万人受けするRPGに次第に変貌していく過程で、こちらは差別化という意味でもより挑戦的でコアなユーザーを獲得していく事に成功しました。
そんなサガシリーズは初期FFでゲームデザインをした河津秋敏氏が以後ずっと関わっていくシリーズにもなっていきました。そしてその進行の自由さ、FFとは違った流れで無数のクラスや育成システムをまとめあげ強化していくシステムを完成させ
シリーズの特徴でもある閃きも採用した…FFシリーズ同様サガシリーズも、このロマンシングサガ2においてシリーズにおいての基本スタイルがほぼ完全に固まったと言えるでしょう。
シリーズのエッセンスを組み合わせ、今の時代の最適化にも成功
サガシリーズは、簡素ながらインパクトのある台詞、ゲーム自体の進行をある程度プレイヤーに任意で選ばせるフリーシナリオ、閃き・陣形・連携などのシステムを応用した戦略性のある戦闘、多種多様な種族やクラスで編成されるパーティー、歴史を軸にした大河ドラマ風のストーリー、最終的に邪神的な存在を打破する進行…などに特徴があります。
勿論、作品によっても違いは出てきますが、幾つかの作品に共通するエッセンスを抽出すると概ね上記のような特徴が浮かび上がってきます。本作ロマサガ2はそれらの多くを内包した上で、リメイクにあたり後のシリーズで採用された連携などの戦闘システムも組み込まれました。
ゲーム進行はスケールが大きいながらも、シナリオ面での薄さも指摘されていましたが、もと存在していた七英雄側のドラマをより掘り下げる事で後のサガフロ2のような大河ドラマ感を獲得し、やりごたえがある反面・理不尽さや複雑さも指摘されていた難易度は
調整を加え、ユーザーのレベルに合わせた難易度設定を盛り込まれました。聖剣伝説3のリメイクにも携わったゲームスタジオxeenが手掛けた事もありほどよく視認性も高いアニメ調で理想的な3Dモデルを構築する事にも成功。
リメイク作として文句のない完成度でシリーズの決定版と言える作品に仕上がったと思います。ありし日のスクウェアの勢いも感じさせる作品で、J-RPGを代表する作品の一つに仕上がっています。

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