日本の文化が熱狂していたような夏を穏やかに彩った平成の夏ドラマの定番「ビーチボーイズ」

MOVIE1(映画・ドラマ)

田舎を舞台にしたドラマ、リゾート感覚や、都会の喧騒から離れたロケーションを生かしたドラマは数多いもの。それらの中にあって、配役の絶妙さやロケーションの良さ、それらに負けない王道の脚本によって、平成年間の夏ドラマの定番とも言える仕上がりになった名作ドラマをレビューします。


絶頂期の月9と熱狂の97年


当時まだまだ勢いのあったフジテレビの月曜9時枠のドラマ、通称「月9」基本的に都会的な舞台を背景に、職業ドラマや恋愛ドラマ、あるいは学園ドラマが宛てられる事が多かった当時に、人気絶頂だった反町隆史と竹野内豊のW主演で職業モノでも恋愛でもない、海辺の町を舞台にしたリゾート感覚に溢れるドラマに仕上げたのが本作です。

何かとお騒がせな事件も続きましたが、こちらも当時人気絶頂だった広末涼子もヒロイン枠に置き、マドンナ役に稲森いずみが。夏になると定期的に再放送を繰り返された事もあり平成期の夏ドラマの定番となった感があるドラマでした。

世紀末の狂騒のようだった夏


それにしても放送当時の97年の夏ごろと言うとバブルはとうに弾けていましたが、平成の時代の日本のカルチャーを象徴するような出来事が山のようにありました。フジテレビがお台場に移転し、それと連動したかのようなドラマ踊る大捜査線のブレイク。


FF7ブームに寄るPSの躍進、片や任天堂はポケモンが大ブレイク。年が明けるとポケモンショックのような事件も起きましたが。。エヴァンゲリオンともののけ姫の夏映画の激突、前年に引き続いたエヴァの社会現象化。


安室奈美恵が結婚&出産、その安室がHEYHEYHEYで紹介した事によるたまごっちブーム
GLAYのベスト盤が400万枚を売り上げベスト盤ブームになり、ヴィジュアル系バンドのブームが起こりますが、その火付け役とも言われるX-JAPANは年末に解散。

金田一少年とGTOを有するマガジンが発行部数でジャンプを抜くもこの年に後にジャンプの大看板となるワンピースが連載開始。時世的には山一證券の破綻やサカキバラ事件など、社会不安を煽るような事件も起こりました。


いつの時代にも通じる普遍的なものがテーマ


そんな今と比較しても、世の中の流行やカルチャーの変化の速度が目まぐるしく東京が色々な意味で世界をリードする文化の発信地としてまだまだ存在感を発揮していた時代。


しかし、本ドラマはそんな慌ただしい時世や世紀末の狂乱とは距離を置くように、リゾート感覚も多少打ち出しながら、港町の穏やかな雰囲気やゆったりしたテンポで進むドラマで。

主役2人こそ片田舎に来たら浮いてしまうような存在感がありますが、テーマになっているものは現実と夢の折り合いだったり親と子の距離感だったり、非常に現実的。

それはいつの時代のドラマでも延々とテーマになるようなもので、特別な大きな展開がある訳ではありません。そこに大きく貢献してくるのが、陽キャと堅物という対照的な主役2人のキャラ、そして夏の海辺の町と言う舞台でしょう。

夏ドラマの決定版とも言える仕上がりに


夏の盛りに向けジワジワと全体のテンションが盛り上がっていき夏の折り返しに一抹の寂しさがあって、夏が終わる頃にみんなそれぞれ前とはまた違った日常に向けて収束していく。


世代的にこのドラマに影響を受けた人は周りにも密かに多かった気がします(笑)それは月9という大きな枠でありながら、恋愛を軸にせずに比較的に男性向けに作られていた側面もあったから。そして女性でも見やすい綺麗なロケーションや美麗な配役によって間口が広い作品だからでしょう。


キャストの豪華さや当時の「時代の勢いや懐かしさ」も含め、色々なものが詰まっているドラマだったように思います。夏ドラマはどれも似たような流れのドラマが多いのですがこの世代の夏ドラマとしては決定版とも言える仕上がりになっていたと思います。

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