現在もつづく「狩りゲー」「ハンティングアクション」の走りとなった国民的人気ゲーム、モンスターハンター。シリーズの流れも数多くある中、初心者でも入りやすくマニアも納得な作りの1作を紹介します。
意欲作でありながら紆余曲折な歴史を重ねたシリーズ
モンスターハンターはPS2の時代にカプコンが満を持して発売したタイトル。この時期は、けっきょく流れてしまったようですが、現在オープンフィールドで記録的なヒット作となるレッドデッドリデンプションの前身、レッドデッドリボルバーも、もともとはカプコンから開発がスタートしたタイトルだったと記憶しています。
思えばファミコン時代のロックマン、アーケード及びスーパーファミコン時代にブームを牽引したストリートファイター2、PS時代にアクションドベンチャーを氾濫せるヒットになったバイオハザード…などその時代もジャンルを切り開くような名作を作れている、何気に凄いメーカーだと思います。
セガやコナミにも近い印象はあるのですが、コンスタントに大きなヒットを生み出している実績は任天堂にも近く…。そんなカプコンが開発したモンスターハンターですが、初作は意欲的なゲームが出たと注目していたものの、まだまだ課題が多い内容で賛否別れていました(これは後のシリーズにも共通はしていますが…)
やがて、携帯機であるプレイステイションポータブルの通信対戦機能(アドホック機能)を用いた協力対戦と、一狩り区切りのゲーム体験や素材集めの行程が携帯機向けだったこともあってか大ブレイク。特に2ndGからは多くの新規ユーザーも獲得する事に成功し大きなセールスを記録します。
その後は水中戦も可能になった3やモンスターの獰猛化や立体的なマップ描写が実現した4、狩技という新しいスタイルを取り入れスケール的にもシリーズ集大成的作りとなったクロス(ダブルクロス)、HD機にふさわしいよりリアルな画質とシームレスなマップの実現に成功し、グローバル展開も成功させたワールド…と
シリーズは順当に進化しつつ、本編発売後約1年半後にモンスターの追加や新しいマップ、ゲームバランスの調整など数々の新要素を加えた完全版(近年では大型ダウンロードコンテンツの配信)スタイルもお馴染みになっていました。
完全版商法は賛否が別れるものの、発売後のユーザーの声も着実に取り入れた進化版になるので、けっきょくは熱心にファンに受け入れられてきた流れがあります。
シリーズの伝統を一新。遊びやすさを追求した
ただ自分はモンハンはどうも相性が悪いようで、独特の重さを伴った動きや、細かい素材集め、モンスターが比較的に硬く、途中で逃走する流れとなる「一狩り」の長さが冗長に感じられる…などで毎回購入しては比較的序盤でストップしてしまう事が多かったのです。
しかし本作では、オトモガルクという乗り物に乗ることで移動速度がより高速化、さらに壁登りやワイヤーアクションのような「翔蟲」を駆使することで、起伏に富んだマップを縦横に駆ける事が可能になりました。
前作「ワールド」からそれまで画面切り替えでマップが区切られていたものがシームレスになりましたが、今作はこれらの要素からより「起伏に富んだシームレスな1つのマップの中で戦う」という感が強くなりました。
肉焼きセットや武器の鋭さを回復する砥石も使用回数制限がなくなりより快適に…シリーズお馴染みの猫の姿をした相方である「オトモアイルー」はソロプレイでみ最大2匹まで連れて行く事も可能になりました。
またこれまでモンスターに「乗って」攻撃する要素やモンスター同士が争う要素がありましたが、その発展形で「操竜」という大型モンスターを操って別の大型モンスターに攻撃できる要素も追加されました。
過去、モンスターハンター2ndGの大ヒット後に本格的な「狩りゲー」ブームが起きPSPなどの携帯機を中心に狩りゲーのフォロワーがたくさん出てきた時期がありましたが、個人的にモンハンの「一狩りの長さ」に個人的にややゲンナリし、短時間で終われるゴッドイーターなどに流れた時期もありました。
本作は、まさにそんな後発の狩りゲー作品が売りにしていた「よりスタイリッシュで、短時間で終われる」というお手軽さやスタイリッシュな方向にある程度寄せたタイトルであり、新しく実装されたこれら快適な要素は個人的な相性も良かったのです。
ただ、シリーズに馴染んだユーザーからはモンハン特有の「重さ」が損なわれてしまい手応えが軽くなりすぎたという批判も見られます。このへんはシリーズに「何を求めるか」で意見が分かれる点でしょう。
とはいえストーリーモードとも言える「村クエスト」をビギナーでもクリアしやすくなった点やプレイ時間の短縮で間口を広げた点は進化と言っていいのではないでしょうか。
その世界観も魅力
過去ナンバリング3など、和風の世界観を打ち出した過去作もありましたが、本作はより本格的な和風の世界観。かつてのタタラ場を思わせる里の雰囲気に忍者のような出で立ちのハンターたち、メインコンテンツである百竜夜行もまさに和風の世界観に馴染んだ趣になっています。
里で流れる「カムラ祓え歌」は日本人の郷愁をくすぐるシリーズでも屈指の名曲で、シリーズのシンボル的な楽曲「英雄の証」も和風アレンジが施されています。伝統のモンスター達も妖怪のような趣で紹介ムービーが流れ、雰囲気を高めてくれます。
シリーズでは恒例になっていますが、当初コンテンツの少なさに不満の声も聞かれたようですが、大型アップデート「サンブレイク」が登場してからはボリュームもグッと増し和風と対を成す西洋風の世界観も導入されました。
全体として「ワールド」や「ワイルズ」が同じシームレスに移行した以降のシリーズでも伝統の重厚さに沿ったタイトルなのに対し本作はかつての携帯機のシリーズの持つ「手軽さ」を引き継いだ作品だと言えます。
ワールドワイドでも前作「ワールド」と並ぶセールスを記録した本作。シリーズの中でも特に間口の広い、より幅広いユーザーに薦める事のできる「モンハン」に仕上がっているかと思います。


コメント